「政治家・アナウンサー・ラジオパーソナリティー・YouTuber・落語家・ボーカロイド…の話し方」や「お経・コーラン・呪文…の唱えられ方」そして「神話・伝説・昔話…の話され方」など声・話を聴く実体験を増やしつつ,気づいたことを実行に移します.文字・動作などと合わせたマルチモーダルな情報提供を意識します(実践上の工夫は教科特性により大きく異なるでしょう).オノマトペは運動物体になりきる感覚を促すのではないでしょうか.
(Keywords: 口承文芸,手話,落語,説法,標準語・お国言葉,)
- 有効桁数の数え方「左のゼロは数えない!」「右のゼロは数える!」などと大切な標語・用語は常に同じ言葉使いで表現します.
- 「『質量』,”$m$”,が $2.5\,\mathrm{kg}$」など.あえて冗長な言葉遣いをすることで「『質量』という概念の量記号は “$m$“」だという事に慣れてもらいます.
- 「♩♩♩♩」というリズムに合わせて「キロ,メガ,ギガ,テラ」「ミリ,マイクロ,ナノ,ピコ」と唱え,ジェスチャーを添えます.(小数点を移動する脳内イメージを音と動作で伝える)
- 例えば「等加速度直線運動における瞬間の速度」の説明において,「1秒経ったら $a$ だけ増える,2秒経ったら $2a$ 増える,3秒経ったら $3a$ 増える.そして,$t$ 秒経ったら $ta$ 増える!」のように,一定のリズム・同じ言葉遣いの繰り返し(昔話の語り口調)を意識します.
- 「平均の速度」「瞬間の速度」の直感的なイメージとして,「外の観測者が計算して求める速度 $\overline{v} = \varDelta x / \varDelta t$」 と「モノに乗っている小人・運転手が見ているその時々のスピードメーターの値 $v$」という表現で立場の違いを明確に示す.
- 斜面を登る小球の運動(負の加速度)をジスチャーで示しながら,「すーっ(上り調子,デクレッションド),んっ(休止),すーっ(下り調子,クレッシェンド)」というオノマトペ的な発声を添えます.(「$x$ の最大値→ $v=0$ 」の直感的な理解の手助け)
- 「『振りかぶって,投げた』その瞬間にストップウォッチをスタート」という動作とセリフによって,初学者が陥りがちな「初めの状態って,動く前の話なのだから $v_0=0$ では?」という誤解を回避します.
- 物体の運動の一瞬に着目する際に「時間を止める」と表現しがちですが,初学者が陥りがちな「止める→ $v=0$」という誤解を回避するために,「パラパラ漫画の1コマ」「動画を一時停止」などという別の表現を用います.
- 「時間を止めたときの瞬間の速度」を表現するには,「パラパラ漫画の中のスピードメーターの値」という表現を用います.
- 盲学校では音声でシリアル信号を送る(例えば,「分子/分母」の順で読み上げる)一方,手話では視覚でパラレル信号を送る(例えば,「座る」という手話を左右の手でどのように配置するかで,「並んで座る」「向かい合って座る」を表現する)ことを参考に,声での説明・提示資料での説明を併用します.
- 分数を読む場合には「分数の,分子が〜,分母が〜」と読み上げます.インライン表現から逸脱する場合,その宣言は情報理解の助けになるものと思われます.